エネルギー消費量の可視化とリアルタイム性について

Earth2Techに、Katie Fehrenbacher氏によるSmartGridに関する考察が掲載されていました。とてもよくまとまっているような気がしたので、ほとんどの内容をリストアップしてしまいました。それで、この記事を書いた人が誰なのかが気になったので調べてみたら、Green:Net09YouTube映像の中でインタビューをしていた人だとわかり、早速TwitterでFollowし始めました。興味のある方は、ぜひ原文をご覧ください。
Why the Smart Grid Won't Have the Innovations of the Internet Any Time Soon – Gigaom

  • Intro
    • SmartGridのエンドユーザー側を、リアルタイムで双方向に使えるようにするためには(like the Internet)どうすればいいのか?
      • 多くの人がそのことについて考えている
      • smart meterやenergy management devicesがエネルギー消費データを集め、可視化できるならば、利用者は、価格の変動をリアルタイムで見たいだろうし、それが利用者の行動を変えるだろう
    • しかし、近い将来はこのようにはならないだろう
      • ユーティリティはSmartGridの構築を進めているが、リアルタイムなコネクションとはかけ離れている
  • What Utilities Are Planning
    • SmartGridのネットワークからデータを集める
      • そのタイム・フレーム(間隔?)は、15分から1時間
      • 各家庭からデータを集めて、それをネットワーク内のcollection pointに運ぶ
      • その後、多くのユーティリティのシステムは、1日毎に、ユーティリティのバックオフィス系にデータを集めて、そこで各家庭毎の数字を計算し、各家庭へフィードバックする
    • 二つの問題点
      • the resolution of the energy data / どのくらいの間隔でエネルギー消費量を集めるのか?
      • the age of the data / データが送信されてからフィードバックを受けられるまでに、どのくらい時間がかかるのか?
    • ユーティリティと提携している企業
      • これがボトルネックとなってしまう可能性がある
      • 例えばGoogleのPowerMeter
      • データがGoogleに送られてくる前に、ユーティリティを経由しなければならない
      • これは、利用者にデータが見えるようになるまでに"遅れ"が生じることを意味する
      • また、リアルタイムではないので、詳細なエネルギー利用状況に"ギャップ"が生まれてしまう
      • リアルタイムにエネルギーの利用状況を確認できるので、それが利用者の行動を変える、という論理が通じなくなる
    • エネルギー価格が需給によってリアルタイムに変動する
      • それはもう少し未来の話
      • GoogleのPowerMeterの最初のバージョンも、価格情報は扱わない
    • なぜユーティリティは、よりリアルタイムなサービスを提供しないのか?
      • 最も大きな要因はコスト
      • 複雑でより良いサービスを提供するとなれば、コストも膨らんでくる
      • 利用者がどのような反応を示すかわからないので、積極投資は抑えたい
      • 多くのユーティリティは、自然破壊の現状とエネルギーネットワークの可能性を認識していない
  • Why Infrequent Data Falls Short
    • エネルギー消費量データの有効期間
      • データ取得間隔が1時間を超えてしまうと、利用者の行動を変えるための有効なデータではなくなってしまう
    • 1時間でも、利用者のそれぞれの行動が与えたエネルギーの使用量を特定するのは難しい
      • もっと粒度を細かくする必要がある
      • これは人間の脳の仕組みと関連がある
      • 素早い反応がなければ、それに伴い行動を変えるためのモチベーションも低くなってしまう
    • 例え、利用者の行動が大きく変わらなかったとしても
      • リアルタイムに情報をやり取りすることができるようになれば、その情報の周辺に、よりイノベーティブなエコシステムができ、新しいアプリケーションも生まれるだろう
      • A killer appは、ネットワークが構築された後に出てくるし、そうすれば、その効果も確かめられる
  • The Future
    • 現状
      • ユーティリティのデータシステムを無視(bypass)して、リアルタイムに近い形で情報を提供するようなエネルギー・マネジメントツールも登場している
      • Googleも、こういったタイプのパートナーと提携しようと計画している
      • いずれにせよ、消費者が上記のようなツールを購入し、自宅に設置しなければ、普及していかないことは事実
    • この業界のエキスパートの言葉
      • "we’re still in the early days of the smart grid"