Smart Grid Interoperability・その１２

第四章｢Smart Grid Applications and Requirements｣を読み進めています。
今回は｢Electric Storage｣ということで、蓄電についての話になります。将来的には、各家庭に蓄電装置が配置され、それが自家発電装置と連携し、適切な時に適切な電力が家庭内を流れるようになると思われますが、そこまでいくには、まだまだ技術的な課題も多いようです。電気自動車を蓄電装置として使う、というのは面白そうですが、プラグインの電気自動車を使える家庭が、東京都心でどれくらいあるのかは疑問です。ビル単位、マンション単位、駐車場単位で、電気自動車を介した電気の売買についての契約を長期的に結ぶ、みたいなことになるかもしれません。

蓄電技術・普及への投資
- リソースの適切さ(adequacy)やリソース管理に対する懸念に対応することができるようになる
- しかし、投資を活発化させるためには、技術的・経済的な問題を解消しなければならない
- もし、技術的な問題を解決したとしても、さらなる難しい問題に直面する
  - 電力会社との利害対立
現状
- ローカルで使えるような蓄電技術は存在する
  - 例えば、UPSシステム
  - しかし、他のシステムと統合することができない
- 新しい技術は開発中、いくつかについては市場にに出回っている
  - これらは電力網に対して大きな価値を提供するだろう
蓄電技術が電力システムに与えるメリット
- 発電レベル(At Generation level)
  - 周波数制御(frequency control)など
- トランスミッションレベル(At Transmission level)
  - 送電網の安定性、信頼性など
- 配電(At Substation/Distribution)
  - エネルギー消費のピーク時に備えてエネルギーを備蓄しておく(peak shaving)、電圧調整、電力の質など
- 消費者レベル(At End-Use level)
  - Demand Control、電力障害を防ぐなど
ユースケース
- Energy Storage (ES) Owners Store Energy from the Power System
  - 蓄電システムのオーナーは、以下のような時に蓄電する
  - 電力価格が低い時
  - 電力システムが障害を起こす可能性のある時
- Energy Storage (ES) Owners Discharge Energy into the Power System
  - 蓄電システムのオーナーは、以下のような時に蓄電してあった電力を外に提供する
  - 経済的に有利な時(電力価格が高い時)
  - 電力システムの信頼性や効率性、質を改善できる時(電力が不足している時)
- Building Energy Usage Optimization using Electric Storage
  - ビルのエネルギー効率を改善するためのメカニズムとして使われる
  - これによって、リアルタイムな価格シグナル(realtime pricing/RTP)に反応することが可能になる
  - RTPは、価格の変動情報をe-mailなどで送る
  - または、ビルのオートメーションシステム(the Building Automation System/BAS)へダイレクトに送り、そのシステムが、エネルギー効率を改善するために必要な処理を実行する
- RTO/ISO Directly Dispatches Electric Storage to Meet Power Demand
  - マーケットドメインに位置する業者が蓄電し、電力需要が高まったら、それを蓄電しておいた電力を提供する
- Utility Dispatches Electric Storage to Support Intentional Islanding
  - ユーティリティは、意図的に電力アイランド(an electric island/microgrid)を形成し、蓄電しておいた電力を提供する
- Electric Storage Used to Provide Fast Voltage Sag Correction
  - 電圧低下を素早く補正することができる
- Impact on Distribution Operations of Plug-in Electric Vehicles as Electric Storage
  - 電気自動車を蓄電設備として使えるか？