Smart Grid Interoperability・その13

第四章「Smart Grid Applications and Requirements」を読み進めています。
今回は「Electric Transportation」、主に電気自動車のことが書かれている部分を読みました。僕が持っていた電気自動車の電力チャージのイメージは、ガソリンスタンドのような所で何かを車につなげて電力を補充するというもので、それを実現するためのインフラ設備というのは大変なものだろうなと想像していたのですが、そのイメージがここ数ヶ月で変わりました。特に、電気自動車を蓄電装置として利用する、電力ピーク時には電気自動車から電力網へ電気を提供する、といった将来イメージはとても面白いなと感じました。ただ、料金システムは複雑になってしまうことは確実で、そうなってしまっては価格インセンティブも働きにくくなってしまうと思うので、この点をいかにクリアにわかりやすくできるかがポイントのような気がします。

  • Electric Transportationの重要性
    • 以下のような効果がある
      • 石油への依存度を減らせる
      • 再生可能エネルギーの割合を増やせる
      • カーボンフットプリントを劇的に減らせる
    • しかし、現在の送電網やマーケットのインフラでは、大規模な電気自動車の普及を支えられない
      • SmartGridのアーキテクトやスタンダード策定者は、新しいインフラについて熟考する必要がある
  • プラグイン型電気自動車(plug-in electric vechicles/PEV)がもたらす影響
    • 電力システムが提供しなければならない電力負荷が劇的に増えるだろう
      • もし、規制や調整、インセンティブがなければ、ピーク時電力のコストが劇的に上昇する
    • その反面、ピーク時とそれ以外の時との間における電力負荷をバランスさせることもできる
      • 充電する時間帯をずらす、自動車に蓄電されている電力を電力網に提供する
      • こういった戦略を機能させるためには、注意深く設計された価格とマーケットによるインセンティブがなければならない
  • ユースケース
    • Customer Does Not Enroll in Any PEV-Specific Program
      • PEVは、スマートメーターと協調しなければ、大きなアドバンテージを得られない
      • しかしユーティリティは、PEVの負荷やPEVの電力チャージに関する深い知識を持っていない
      • それは、スマートグリッドのプログラムと、PEV特有のプログラムとの間のコミュニケーションが欠けているからだ
      • PEVは家庭の電力コネクションにプラグインされ、そのコネクションがスマートメーターへのインターフェイスになっているわけだが、それはPEV特有のインターフェイスとマッチしていない
      • 消費者の中には、様々な理由のため、PEV特有のプログラムに参加しない人もいる(ピーク時に電力をチャージする?)
    • Utility/ESP Develops Different Tariffs and Service Programs
      • ユーティリティやエネルギーサービスプロバイダーは、様々なPEVプログラムを開発している
      • 料金の違いや、サービスの違い、PEVの性能の違いがプログラムのベースとなっている
    • PEV Charges After Customer Establishes Charging Parameters
      • 同じタイプのPEVでも、消費者の住居区域や制約によって、電力チャージするやり方や時間帯が変わってくる
    • PEV Charges at Different Locations: Roaming Scenarios
      • PEVの電力チャージを、住居区域とは別の場所で行なう可能性もある
      • その場合(ローミングした場合)の、電力料金などはどうなるのか?
      • 利用したエネルギー分だけ料金を支払う(家庭で電力チャージする場合)
      • ユーティリィを通じて支払う(加入しているユーティリティのインフラを使う場合)
      • 他のユーティリティが管理するインフラで電力チャージする場合は、「ゲスト」となるので、その分だけ手数料が取られる
    • PEV Roaming, Assuming Unbundled Retail Electricity Reselling
      • 電力の小売りが可能になれば、消費者は蓄電電力を売ることが可能になる
      • 夜間など電力価格が低い時に電力をPEVに蓄電し、暑い昼間に、それを販売する
    • PEV for On-Premise Backup Power or Other Use of Storage
      • 蓄電装置としてPEVを利用する
      • ユーティリティは電力需要のピーク時に、消費者から電力を購入する
      • 停電が起きた時に、発電装置として利用する
      • 電力サービスを得られない場所で、電力を得るために利用する(建設現場とかキャンプとか)
      • 他のPEVの電力を補充するために利用する
    • Utility Provides Accounting Services to PEV Customer
      • ユーティリティは、PEVの所持者に対して、使った電気の利用料金を請求する
    • Impact of PEV as Load on Distribution Operations
      • 配電設備は、PEVの電力チャージが、いつ、どこで、どのくらいのスピードで行なわれているかを知る必要がある
    • PEV Network Testing, Diagnostics, and Maintenance
      • PEVのインターフェイスシステム(EVSE)やバッテリーのテスト、診断、メンテナンスのサービスを提供する