Smart Grid Interoperability・その6

第三章「Smart Grid Conceptual Model」を読み進めています。
今回は、このModelを構成する7つのドメインの中の「Customer Domain」と「Market Domain」を取り上げます。それぞれのドメインがどんなことをやっているのか、ということが本章で述べられていて、ある仕組み、例えばDemand Response(電力の需要によって価格を変化させる)の全体像については、次章で説明されています。なので、各ドメインのつながりを理解するためには、次章を深く読む必要がありそうです。そんな理由もあり、しばらくの間、箇条書きスタイルになってしまうかもしれません。

  • Customer Domain
    • 概略
      • 電力のエンドユーザー
      • 電力を自家発電したり、蓄電したり、電力利用を管理したりすることもある
      • home、commercial/building、industrialの三タイプある
    • 役割
      • このドメインのアクターは、電力のエンドユーザーに対してサービスを提供する
      • エネルギーの利用状況を管理したり、自家発電をサポートしたりもする
      • 他のドメインとの間の情報のフローを制御することもできる
      • このドメインの境界は、ユーティリティのメーターであることが多い
      • 大規模な施設の場合は、Energy Management System(EMS)のようなゲートウェイが境界になる
      • 境界にあるメーターやEMSは、このドメインの重要なインターフェイスとなる
    • EMSの役割
      • AMI(Advanced Metering Infrastructure)かインターネット経由で、他のドメインと通信する
      • バイスとは、ローカルエリアのネットワークを使って情報交換している
      • 次のようなアプリケーションにとってのエントリーポイントとなる
      • 負荷のリモートコントロール、配電電力の監視・制御、家庭内における電力使用量の可視化、エネルギーを使わないメーターからの読み取り、ビルマネジメントシステムとエンタープライズとの統合
      • セキュリティ的な理由で、監査/ログ機能も搭載している
    • その他
      • このドメインは、電気的には、Distribution Domainとつながっている
      • 情報的には、Distribution/Operations/Market/Service Provider Domainsとつながっている
  • Market Domain
    • 概略
      • 電力マーケットのオペレーターや参加者
    • 役割
      • このドメインのアクターは、金銭的な取引を行ない、パワーシステムの需給関係を調節している
      • このドメインの境界は、制御が発生するOperations Domain
      • 他の境界は、エネルギー資産を供給するgenerationやtransmission
      • Customer Domainともつながっている
    • エネルギー供給源とのつながり
      • 需給のマッチが効率的に行なわれるかどうかは、marketの働きにかかっている
      • そのため、ここのつながりは重要
    • マーケットの挙動
      • 信頼性があり、トレース可能で、監査可能でなければならない
      • e-commerceのスタンダードもサポートしてなければならない
    • 優先的な課題
      • 電力供給状況のシグナルを価格情報としてCustomer Domainに伝える
      • マーケットルールのシンプル化
      • などなど