Smart Grid Interoperability・その7

第三章「Smart Grid Conceptual Model」を読み進めています。
今回は、「Service Provider Domain」と「Operations Domain」についてです。この二つのドメインの違いについては、自分の中で明確にさせることができていないのですが、目に見えないサービスを提供するのが「Service Providers」で、目に見えるサービスを提供するのが「Operations」と捉えました。そのように捉えると、付加価値を加える余地があるのは「Service Providers」ということになります。例えば、先日取り上げたYello Strom社も、新しい価値を顧客に提供するユーティリティということで、「Service Providers」の部分に力を入れたという仮説を立てることもできそうです。

  • Service Providers
    • 概略
      • 電力サービスを家庭やユーティリティへ提供する
    • 役割
      • 電力システムにおける生産者・配電・エンドユーザーのビジネスプロセスをサポートする
      • 例えば、以下のようなビジネスプロセスが含まれる
      • 利用料請求や顧客アカウントといった、伝統的なユーティリティのサービス
      • エネルギー利用の制御や自家発電といった、先進的なサービス
    • このドメインが妥協してはならないこと
      • 電力ネットワークのセキュリティ、信頼性、安定性、完全性(integrity)、安全性
    • 他のドメインとのつながり
      • システム制御や状況認識(situational awareness)という点で、Operations Domainとのつながりは重要
      • Smartなサービスの展開を通した経済成長を可視化するという点で、Market/Customer Domainsとのつながりは重要(例えば、CustomerがMarketと取引できるようなインターフェイスを、このドメインが提供する)
    • 今後の展開
      • このドメインは、新しくてイノベーティブなサービス・製品を作り出すだろう
      • SmartGridが進化することによって生まれる新たな要求や機会に対応するために
      • 電力サービスのプロバイダー、既に存在しているthird parties、新しいビジネスモデルを描いた新規参入企業など、様々なプレーヤーで構成されることになるだろう
    • 優先的な課題
      • 重要な電力インフラを守りながら、ダイナミックでマーケット・ドリブンなエコシステムを実現する、そんなインフラやスタンダードを作る必要がある
      • このようなインフラは、様々なネットワーク技術で操作できなければならない
    • SmartGridが普及することによって得られるメリット
      • third parites向けの市場が成長し、新たなサービス・製品を、エンドユーザーやユーティリティ、他のステークホルダーに適切なコストで提供することができる
      • 他のドメインに対するビジネスコストを削減することができる
      • エンドユーザーが電力のサプライチェーンにおけるアクティブな参加者となるので、電力消費量が減り、自家発電が増える
  • Operations
    • 概略
      • 電力の流れを管理する
    • 役割
      • 電力システムのスムースなオペレーションに責任を持つ
      • 今は、規制されたユーティリティがこの役割を担っている
      • "wires"企業という視点でのサービス提供