Smart Grid Interoperability・その8

第三章「Smart Grid Conceptual Model」を読み進めています。
今回は「Bulk Generation Domain」「Transmission Domain」「Destribution Domain」の三つで、これらは、単なる情報ではなく、リアルな電力を制御するためのドメインになります。こういったインフラの部分については、具体的なことは全然わからず、日本と諸外国との差異みたいな視点で調べてみるのも面白いかもと思いました。
これで、Conceptual Modelに登場する7つのドメインが出揃いました。資料のPDFファイルの中には、これらの関連性が描かれている絵があるのですが、それがとてもわかりやすく、全体のイメージをつかむのに役立ちました。

  • Bulk Generation
    • 概略
      • 大量の電力を生成する
    • 役割
      • エンドユーザーで電力を運ぶための最初のステップ
      • 何らかのエネルギーから電気を生成するためのプロセス
      • 原子力、水力、風力、太陽光、地熱などから電気が生成される
      • Transmission Domainと電気的につながっている
      • Operations/Markets/Transmission Domainsと、情報を共有している
    • このドメインの重要性
      • 電力源の欠乏や発電失敗を起こさないよう、細心の注意が必要
      • 供給が不足した場合、直ちにOperationsへ情報が渡り、それに伴いMarketsが反応する
    • 今後の課題
      • 温室効果ガス排出のコントロール
      • 再生可能なエネルギー源を増やす
      • 再生可能なエネルギーの可変性を管理するための蓄電対策
  • Transmission
    • 概略
      • 大量の電力を遠くに運ぶ
    • 役割
      • 大量の電力を、Generation DomainからDistibution Domainへ運ぶ
      • Regional Transmission Operator(RTO)やIndependent System Operator(ISO)によって運営されているのが一般的
      • ネットワーク内の需給のバランスを取りながら、電力網の安定性を保つ、という責任を持つ
    • Distributed Energy Resources
      • 蓄電や緊急発電装置(peaking generation units)も持っている
      • このような電力やサービスは、Marketsによって購入され、Operationsによって制御される
    • substation
      • このドメインのほとんどの活動はsubstationの中で行われる
      • 電圧を変えたり、装置のスイッチ制御をしたりする
      • 二本以上のtransmissionラインと接続している
    • transmissionネットワークの監視・制御
      • 一般的には、Supervisory Control and Data Acquisition(SCADA)システムによって行なわれている
      • 通信ネットワーク、監視デバイス、制御デバイスを含んでいる
  • Destribution
    • 概略
      • エンドユーザーへ配電する
    • 役割
      • Transmission DomainとCustomer Domainとの間で、電力的な接続を行なう
      • このドメインは、様々な構造が存在しているシステム
      • 例えば、radial/looped/meshed
    • 今後の展開
      • SmartGridが進展することによって、Operations Domainとより密接に関わることになるだろう
      • よりダイナミックなマーケットや環境的・セキュリティに関連するパワーフローを管理することができる
      • さらに、発電・消費のサイクルをローカルな単位で回すことも可能になる
      • エンドユーザーのサービスプロバイダーは、このドメインのインフラを使って、エンドユーザーにサービスを提供する