Smart Grid Interoperability・その10
- http://www.nist.gov/smartgrid/
- http://www.nist.gov/smartgrid/InterimSmartGridRoadmapNISTRestructure.pdf
第四章「Smart Grid Applications and Requirements」を読み進めています。
今回は、「Wide-Area Situational Awareness(以下、WASA)」について述べられている部分を読みました。前回のエントリーでは、配電網の広域状況認識システムと訳しましたが、そのような仕組みを作るためには、Transmissionドメインだけではなく、Operationsドメインが電力システムのフローを制御する必要があるんだということを知ることができました。ある地域の電力システムを一つの企業が独占していれば、こういうことはやりやすいのかもしれませんが、複数の企業が競合していたら、それをつなげるのは難しそうだなとも感じました。
- WASAとは?
- 広大なエリアの電力網をモニタリングする
- システムのナレッジや挙動の決定を管理するの必要不可欠
- 一つの企業や、地域の電力会社という境界を越えた仕組みが必要
- 古い仕組みに対しても統一された方法でアクセスできる必要がある
- 広大なエリアの電力網をモニタリングする
- WASAは、以下のような要求に応える必要がある
- 現代の電力システム
- ユースケース
- Contingency Analysis
- 電力システムのセキュリティを分析するエネルギー・マネジメントシステム(EMS)のアプリケーション
- 重要なインフラの停止に耐えられるような能力があるかどうかを分析する
- 偶発的なイベント(contingency events)が発生した時に、何が起こるか、どう対処すべきかを分析する
- Inter-Area Oscillation Damping
- 振動を広範囲で減衰させる
- 振動を少なくすることができれば、電力フローを最適化することができる
- 現在、利用可能な解決策は、電力システム・スタビライザー(stabilizer)を設置すること
- この技術によって提供されるdampingによって、振動を最小化することができる
- スタビライザーは多くの発電所に設置されているが、それらの効果はローカルなエリアに留まり、外のエリアの振動を効果的に減衰させることはできない
- inter-areaな振動は、phasor measurement units(PMU)による分析によって感知することができる
- PMUは、電力システムのあらゆる箇所に設置されている
- 振動を感知したら、発電所の電力調整器(regulator)にシグナルが送られる
- 通知を受けた調整器は、効率的に電圧を調節し、振動を減衰させる
- Wide Area Control System for Self Healing Grid Applications
- Voltage Security
- 極端に低い電圧になっていないかを感知するための仕組み
- Phasor(フェーザ)を測定することで感知する
- Monitoring Distribution Operations as a Part of WASA
- Distributionの挙動を、リアルタイムに近い形でモニタリングする仕組み
- それをTansmissionのシステムへ通知する
- Voltage, Var, and Watt Control(VVWC)
- 負荷を減らし、エネルギーを節約し、Transmissionラインの余計な負荷を少なくする、といったことを実現するための仕組み
- Contingency Analysis