スマートグリッド・コンファレンス(1)
昨日、インプレスR&D社主催による「スマートグリッド・コンファレンス」に行ってきました。何回かに分けて、印象に残った点を書き残していこうと思います。今回は、経済産業省の伊藤慎介氏による講演で出てきた話題を取り上げます。何かのドラマに出てきそうな熱意あふれる伊藤氏の人柄が好印象でした。
講演が始まる直前、以下のような疑問が沸き起こりました。
- 日本のグリッドが既にスマートであるのなら、わざわざ今の米国の流れに乗る必要はないのでは?
- 確かに、電力効率が上がるなどのメリットはあるが、社会全体としての優先度は高いのか?
そんな疑問を持ちながら、伊藤氏の講演を聞いていたのですが、講演を聞きながら、これは日本も積極的に取り組んでいかないといけないトピックなのではと感じるに至りました。
- 標準化
- プラットフォーム
- エネルギー・インターネット
- 街全体が「システム」になる
- この「システム」に接続できなければ、インターネットにつなげないパソコンのように、役に立たないものになってしまう
- この「システム」のコアとなるプラットフォームを海外勢に握られたらどうなるか?
- その上でいくら奮闘しても、利益はプラットフォームを提供する海外勢のところに流れてしまうのではないか?
- 日本の製造業が稼げなくなったら、日本は自国の食糧やエネルギーを賄うこともできなくなってしまうのではないか?
池田信夫氏のこちらの記事を合わせて読むと面白いかもしれません。個人的には、「プラットフォーム」を握ることの重要性ということをこれまで特段に意識したことがなかったので、今回のお話はとても刺激になりました。また、まずは「標準」を作ってしまおうとする諸外国の動きの理由についても、少し理解を深めることができました。自分の身の回りにあるモノ・サービスを、「プラットフォーム」という視点で分析するクセをつけていこうと思います。
■■追記(2009/08/05)
この講演に関する記事へのリンクを貼っておきます。
http://kankyomedia.jp/news/20090803_3595.html