The Smart Grid in 2010・その2
このレポートの第二章の全体像については前回のエントリーで触れましたが、その最初に登場するのがAMIです。最初に登場して、しかも第二章の中でも多くのページ数を費やしていますので、スマートグリッドを構成する要素としての重要度は高い、と考えられているのでしょう。文章の中にも「The First Wave of Smart Grid」という表現がありました。AMIは、6つのパートに分かれて説明されていますが、そのうちに最初の3パートを読んだので、以下にメモを書き残しておきます。
http://www.gtmresearch.com/report/smart-grid-in-2010
2.1 Advanced Metering Infrastructure (AMI)
2.1.1 Introduction
- AMIとは?
- Advanced Metering Infrastructure
- エネルギー使用量(energy usage)を、集め(collect)、計測し(measure)、分析する(analyze)システム
- スマートメーターとユーティリティの制御システムとの間の、双方向ネットワークを通じて可視化されたデータが使われる
- 何ができるようになるのか?
- "you can't fix what you can not measure"
- AMIを構成する二つの要素
- スマートメーターそのもの
- 古くて通信できないメーターから置き換えられる
- 通信ネットワーク
- メーターが生成したデータを運ぶために必要
- スマートメーターそのもの
- AMIのレイヤー構成
- アプリケーション・レイヤー
- データの収集、監視、制御を行ない、電力網全体を効率的に管理する
- データの分析も行なう
- つまり、数多くのエンドポイントから送られるデータを、「アクション可能な知見(actionable intelligence)」へ変換する
- 変換されたデータは、送電網のオペレーションを、効率化するのに使われる
- トランスポート・レイヤー
- ユーティリティとエンドユーザー間におけるデータの送受信を管理する
- 様々なネットワークを通じて送受信が行なわれる
- この部分のインフラが整うことで、他の先進的なアプリケーションも、様々な制御ができるようになる(参入可能になる)
- そのため、AMIは大きな注目を集めている
- アプリケーション・レイヤー
- AMIというインフラが整備されることで登場するであろう新しいアプリケーション
- Remote meter reading for billing
- 請求書作成のためにメーターを遠隔から読み取る
- Remote connect/disconnect capabilities
- 遠隔から接続可否をコントロールする能力
- Outage detection and management
- 停電の検出・管理
- Tamper/theft detection
- 不正な電力利用の感知
- Short interval energy readings(which serve as the basis for maket-based energy rates)
- 短い間隔でのエネルギー使用量情報の取得
- Distributed generation monitoring and management
- 分散発電の監視・管理
- demand-response
- AMIの中において、最もエキサイティングなアプリケーションの一つ
- ユーティリティに、配電網のエンドポイントのスイッチのオン・オフをリアルタイムに調節する能力を与える
- ピーク時の電力需要を抑えることが目的
- Remote meter reading for billing
2.1.2 Challenges/Opportunities
- AMIを普及させるだけでは、多くの革新的なシステム改善は望めない
- AMIの批判者は、この点を指摘する
- スマートメーター自体は、エネルギー消費量を削減することができない
- しかし、一般的な消費者や多くのユーティリティは、以下のことを認識しなければならない
- AMIを上手く普及させることは、AMIの明確なメリットを享受できるだけでなく、新しいエネルギーの配電・管理システムのプラットフォームを構築できるということでもある
- AMIの批判者は、この点を指摘する
- ユーティリティの役割
- スマートグリッドのメリットを幅広く享受するためには・・・
- ユーティリティがAMIの力を最大限に活用しなければならない
- それをしなければ、多くの機会が失われるだろう
- 将来のシステム統合や置き換えのコストも大きくなってしまうだろう
- 標準化されたネットワークの活用
- 資本(初期投資)と運用、双方のコストが劇的に下がる
- スマートグリッドのメリットを幅広く享受するためには・・・
- どんな可能性があるか?
- 分散発電を量産化するための土台になる
- HANや未来のアプリケーションのゲートウェイとして振る舞う
- エネルギー取引市場への可能性を開く(電力価格に応じて、電力の購入可否を決められる)
2.1.3 Smart Meters: The First Wave of Smart Grid