The Smart Grid in 2010・その3

前回に引き続き、AMIの部分を読み進めました。今回は、AMIで使うデータの通信手法として、現在どんなものが使われていて、どんなものが可能性として挙げられているのか、それぞれのメリット・デメリットは何なのか、といったことについて触れられています。この節の最後に、代表的な通信手法(RF Mesh Networks/3G Networks/WiMax)の少し細かい説明が掲載されていましたので、次回はその部分を読み進めていこうと思っています。
http://www.gtmresearch.com/report/smart-grid-in-2010
2.1 Advanced Metering Infrastructure (AMI)
2.1.4 Smart Meter: The Gateway to the Home Area Network

  • スマートメーターは、ユーティリティがエンドユーザーのhome area netowrk(HAN)へダイレクトにアクセスするためのゲートウェイとなる
    • エンドユーザーが下記の情報を連携するためには、家庭用のエネルギー管理システム(home energy management system)が必要になる
    • 既に建設されているゲートウェイは、スマートグリッド化計画において最も大きな価値の一つだ
      • エンドユーザーは、節電・エネルギーマーケットにおけるアクティブな参加者となれる
      • ユーティリティは、エンドユーザーの電力負荷を削減することもできる
  • HANのゲートウェイ
    • スマートメーターデファクトとなるか?
      • それはまだわからない
      • ユーティリティが新たなサービスとして稼ごうとしている
      • エンドユーザーは、これ以上お金を使いたくない
    • スマートメーター以外の手法で、エネルギーデータを集める方法はあるのか?
      • Googleは「ある」とはっきり述べている
      • 例えば、家庭のフューズボックスに何かをクリップする(something you will clip onto your fuse box)
    • ブロードバンド接続
      • 議論の余地はある
  • エンドユーザー視点に立てば
    • 明確なリターンがない限り、代金が発生して、インストールする手間もかかることには投資しない
    • 商業的なエリア: 規制緩和されている州においては、既にスマートメーターが使われている
      • ホームエリアでも、似たようなことが起こるだろう
      • 使いやすいテクノロジーがすぐに利用可能となれば
    • 具体事例(インターネットによるデータ通信・システム制御)
      • ホーム・オートメーション・システムを製造するControl4
      • スマートグリッドのソフトウェアを開発するGridPoint

2.1.5 AMI Networking and Communications

  • AMIのネットワーク
    • スマートメーターとWANとの間を接続する
      • WAN経由で、ユーティリティの"back haul system"へつながる
      • これによって、家庭やビルからユーティリティへ「リアルタイムに」データが流れる
    • 通信手段は様々な手法が考えられている
      • wire/fiber/phone/radio/cable
    • 双方向のデータ通信が可能であること
      • これが、スマートグリッドの大きな特徴の一つ
      • それぞれの地域の特性を考慮した上で、その地域に適した通信手法を適用すべき
  • 通信手法の具体例
    • 以下のような指標を用いて、それぞれの手法を評価する
      • Latency(待ち時間)
      • Reliability(信頼性)
      • Cost(コスト)
      • Maturity(成熟度)
      • Maintenance(メンテナンス性)
      • Resiliency(弾力性、回復力)
    • 上記指標を用いた通信手法の評価結果が、このレポートの51ページに記載されている

2.1.6 AMI Communication Networks -- Competition Heats Up

  • AMIの通信手法の標準化
    • 現在、議論されている
    • ユーティリティの視点
      • 可能であれば、多くのアプリケーションを既存のネットワークの上で動かせるようにしたい
      • しかし、信頼性やスケーラビリティ、コストという課題がある
      • さらに、帯域や待ち時間にも注意を払う必要がある
      • そうしなけらば、demand responseのような先進的なアプリケーションは導入できない
      • (they) will want to ensure that their network is up to the task.
    • 新しいアプリケーションが一般的になってくれば、より多くのデータが流れることになる
      • それはつまり、より多くのデータ変換(be transported)が必要になることを意味する
      • ユーティリティは、現在のアプリケーションだけでなく、将来登場するであろうアプリケーションにも備えておく必要がある
    • 地域ごとの特性
      • 北米では、radio frequency(RF) mesh networksが一般的
      • 欧州では、broadband-over-powerlineが一般的
      • 現在、Public Cell Phone Wireless Carriers(3G Networks)やWiMaxへの関心が高まっている