頭のいい高圧送電線網

「グリーン革命・下」の冒頭で、SmartGridの定義のようなものが登場しましたので、その部分を引用しておきます。

エベレストからの眺め、つまりクリーンパワー革命後の世界は、これまでに見たことのないようなものであるはずだ。その一翼を担うのは、いまだかつて味わったことのない経験だろう。家庭のパワー・システムすべてが、家庭の情報システムすべてと意志を疎通し、一つのプラットホームに渾然と一体化して、クリーンな電気を使い、発生し、売買する。IT革命とET(エネルギー技術)革命が、合体し、一つのシステムになったことが感じられる。"エネルギー・インターネット"とともに暮らしている実感が湧く。
SFか魔法みたいに思えることはわかっている。だが、そうではない。エネルギー・インターネットを構築するテクノロジーの多く---<<エコノミスト>>は、"頭のいい高圧送電線網(スマート・グリッド)"という言葉を使っている---は、すでに存在しているか、あるいはガレージや研究室で完成に近づいている。いまの私たちに必要なのは、統合的な政府の政策---法律と基準、課税と税額控除、優遇税制と命令、最低限と最大限の規制値---によって、市場を誘導し、刺激して、そうしたイノベーションを推進させ、新しいアイデアをいち早く商品化し、革命を早く誕生させることだ。

以下に、下巻の中で興味深かった文章を、随時引用していきます。

もちろんバブルだ。しかし、あなたがたは肝心な点が見えていない。このバブルは、あらたな資本を大量にこのインターネット産業に吸い寄せ、イノベーションをどんどん加速させているんだよ。
バブルの効用について、ビル・ゲイツの言葉(下巻・P72)

社会主義が崩壊したのは、市場が経済的真実を告げるのを許さなかったからだ。資本主義は、市場が環境問題の真実を告げるのを許さないために崩壊するかもしれない。
市場からのシグナルについて、レスター・ブラウンの言葉(下巻・P74)